この記事の要点
- ✓防風通聖散でおならが増えるのは大黄による腸の活発化が主な原因
- ✓多くの場合1〜2週間程度で落ち着く一時的な症状
- ✓ただし2週間以上続く・腹痛や下痢を伴う場合は要注意
- ✓食事の工夫と飲むタイミングの調整で症状を軽減できることがある
「防風通聖散を飲み始めてから、おならが増えた気がする」「おならの臭いが強くなった」——こうした変化に戸惑う方は少なくありません。人に相談しにくい悩みだからこそ、不安を感じやすいものです。

防風通聖散には便秘を改善する複数の生薬が含まれているため、服用開始後に腸の動きが活発になりガスが増えることがあります。多くの場合は一時的な症状ですが、なかには体質に合っていないサインの場合もあります。
おならの増加は防風通聖散の副作用のなかでも比較的よく見られる症状で、とくに便秘がちだった方が飲み始めた直後に多い傾向があります。「恥ずかしいから誰にも言えない」と一人で悩んでいる方のために、この記事では防風通聖散とおならの関係を漢方専門薬剤師がわかりやすく解説します。
目次
- 防風通聖散でおならが増える3つの原因
- 好転反応?それとも副作用?見分けるポイント
- おならが臭くなる原因と腸内環境の関係
- おならを軽減する5つの対策
- 医師や薬剤師に相談すべきタイミング
- よくある質問(Q&A)
- まとめ
防風通聖散でおならが増える3つの原因
防風通聖散の服用後におならが増える場合、主に以下の3つのメカニズムが関わっています。
原因①:大黄(ダイオウ)による腸の蠕動運動の促進
防風通聖散に含まれる大黄は、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を活発にして便秘を改善する作用があります。腸の動きが急に活発になると、消化の過程で発生するガスが腸内を移動しやすくなり、おならの回数が増えることがあります。とくに、もともと便秘がちで腸にガスが溜まっていた方は、その分だけ排出されるガスの量も多くなります。
原因②:腸内細菌バランスの一時的な変化
漢方薬に含まれる生薬の成分は、腸内環境にも影響を与えます。防風通聖散の18種類の生薬が腸に到達すると、腸内細菌のバランスが一時的に変化し、ガスを産生する細菌が活発になることがあります。これは腸内環境が新しい刺激に適応する過程で起こるもので、体が慣れてくると落ち着いていくことが多いです。
原因③:消化吸収の変化
防風通聖散には消化器系に作用する生薬が複数含まれています。胃腸の働きが変化することで、食物の消化・吸収パターンが変わり、一時的にガスが発生しやすくなることがあります。とくに、脂肪分の多い食事をしている場合は、脂肪の分解が促進される過程でガスが発生しやすくなります。
好転反応?それとも副作用?見分けるポイント
おならが増えたとき、「これは好転反応だから我慢すべき?」と迷う方が多いです。見分けるポイントを整理します。
| 一時的な変化(様子を見てOK) | 要注意のサイン(相談を) | |
|---|---|---|
| 期間 | 1〜2週間で落ち着く | 2週間以上続く |
| 腹痛 | 軽い張り感程度 | 強い腹痛・けいれん |
| 便の状態 | 便通が改善している | 下痢が続く・水様便 |
| 臭い | 一時的に強くなる程度 | 腐敗臭が長期間続く |
| 生活への影響 | 気になるが支障はない | 外出や仕事に支障がある |
「好転反応」に頼りすぎない
「好転反応」は医学用語ではなく、副作用を我慢させるために使われることもあります。おならと一緒に強い腹痛、持続的な下痢、食欲不振がある場合は、体質に合っていない可能性があります。無理に服用を続けず、医師や薬剤師に相談してください。
おならが臭くなる原因と腸内環境の関係
おならの回数だけでなく「臭いが強くなった」と感じる方も少なくありません。これは腸内環境の変化と深く関係しています。
おならの臭いの原因は、腸内細菌がタンパク質や脂質を分解する際に発生する硫化水素やインドール、スカトールなどの成分です。防風通聖散の作用で腸の動きが変わると、これらのガスの発生パターンも変化します。
臭いが気になるときは、以下の食事を見直すことで改善につながります。
- 動物性タンパク質(肉類)の過剰摂取を控える
- 食物繊維を意識して摂取する(野菜、海藻、きのこ)
- 発酵食品(ヨーグルト、納豆、味噌)で善玉菌をサポートする
- 脂っこい食事や加工食品を減らす
なお、おならの臭いには「無臭に近いガス」と「臭いが強いガス」の2種類があります。無臭のガスは炭水化物の発酵で発生する水素やメタンが主成分で、回数が増えても健康上の問題は少ないです。一方、強い臭いのガスはタンパク質の腐敗発酵が原因で、腸内の悪玉菌が優勢な状態を示しています。臭いが続く場合は腸内環境の改善を意識してください。
おならを軽減する5つの対策
おならの症状を軽減するために、すぐに取り組める対策をご紹介します。
対策①:飲むタイミングを調整する
防風通聖散は食前または食間に服用しますが、空腹時に飲むと胃腸への刺激が強くなることがあります。おならが気になる場合は、少量の水分を摂ってから服用する、あるいは食事の直前に飲むなど、タイミングを微調整してみてください。
対策②:食物繊維と発酵食品を積極的に摂る
腸内環境を整えることが、おならの軽減にもっとも効果的な根本対策です。水溶性食物繊維(海藻、オクラ、バナナなど)は腸内の善玉菌のエサになり、腸内環境の改善をサポートします。
対策③:炭酸飲料・ガムを控える
炭酸飲料やガムは空気を飲み込みやすく、腸内のガス量を増やします。防風通聖散の服用中は控えめにすることで、おならの量を抑えられることがあります。
対策④:食事をよく噛んで食べる
早食いは空気の飲み込みとともに、消化不良によるガス発生の原因にもなります。1口30回を目安によく噛んで食べることで、消化を助けガスの発生を抑えることができます。
対策⑤:適度な運動で腸の動きを整える
ウォーキングや軽いストレッチは腸の動きを自然に整え、ガスの滞留を防ぎます。1日30分程度の有酸素運動は、防風通聖散のダイエット効果を高めるうえでも期待できる方法です。
防風通聖散とお腹の張り|ガスが溜まりやすい理由
おならだけでなく「お腹が張って苦しい」という方もいます。これもガスの発生と関連した症状です。
お腹の張りが起こるメカニズム
防風通聖散に含まれる大黄や芒硝(ボウショウ)は腸の蠕動運動を促進しますが、腸全体のガスが一気に移動することで、一時的にお腹の張り感が強くなることがあります。とくに服用開始直後や、もともと便秘が強い方は、溜まっていたガスが動き出す過程で張りを感じやすくなります。
また、腸内細菌の構成が変わる過程ではガスの産生量が増えることがあります。善玉菌と悪玉菌のバランスが新しい均衡に向かう途中の変化であり、1〜2週間程度で落ち着くケースが多いです。
お腹の張りを和らげるセルフケア
- お腹を温める:温かいタオルやカイロでお腹を温めると、腸の筋肉がリラックスしてガスが排出されやすくなります
- 腸マッサージ:お腹を時計回りにやさしくマッサージすると、ガスの排出を促します。朝起きた直後や入浴中に行うと効果的です
- 食後すぐに横にならない:食後30分程度は体を起こしておくことで、消化が促進されガスが溜まりにくくなります
- ペパーミントティーやハーブティー:腸の緊張を緩和し、ガスの排出を助ける効果が期待できます
防風通聖散の下痢とおなら|腸トラブルへの対処法
おならと同時に下痢や軟便を経験する方もいます。これは大黄の排便促進作用が強く出ている状態です。
| 症状の組み合わせ | 考えられる原因 | 対応 |
|---|---|---|
| おなら+便通改善 | 大黄の正常な作用 | 様子を見てOK |
| おなら+軟便 | 大黄がやや強めに作用 | 用量を減らして様子を見る |
| おなら+水様便 | 体質に合っていない可能性 | 服用を中止し薬剤師に相談 |
| おなら+腹痛+下痢 | 胃腸への負担が大きい | 服用を中止し医師に相談 |
便秘を改善するために防風通聖散を飲み始めた方が、逆に下痢になってしまうケースもあります。これは体質(虚証タイプ)に合っていない典型的なサインです。もともと胃腸が弱い方や下痢しやすい方は、防風通聖散ではなく別の漢方薬を検討すべきです。
体質に合った漢方薬という選択肢
防風通聖散が合わない方(虚証タイプ)には、防已黄耆湯(むくみ・水太りタイプ)や大柴胡湯(ストレス太りタイプ)など、大黄を含まない処方が選択肢になります。漢方薬は体質に合ったものを選ぶことで、副作用を抑えながら効果を実感しやすくなります。
防風通聖散の服用を続けるかやめるか|判断の目安
おならが増えたことをきっかけに「このまま飲み続けていいのか」と悩む方は多いです。以下の判断基準を参考にしてください。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| おならは増えたが、便通が改善し体調は良い | 継続OK(1〜2週間で落ち着くことが多い) |
| おならが2週間以上続くが、他の症状はない | 用量を減らして様子を見る。改善しなければ薬剤師に相談 |
| おなら+下痢・腹痛が1週間以上続く | 体質に合っていない可能性。服用を中止して相談 |
| おならが日常生活に支障をきたしている | 別の漢方薬への変更を検討 |
漢方薬は「我慢して飲み続ける」ものではありません。体質に合っていれば穏やかに効果を発揮しますし、合っていなければ副作用が出ます。おならという症状も、体が「この薬との相性」を教えてくれているサインです。不安があれば、自己判断ではなく漢方の専門家に相談しましょう。

防風通聖散以外でおならが増える原因|薬以外の要因も確認を
おならが増えた原因が防風通聖散だと決めつける前に、他の要因もチェックしておきましょう。日常の生活習慣が原因で腸内ガスが増えているケースも少なくありません。
おならが増える生活習慣チェックリスト
- 早食い:食事と一緒に大量の空気を飲み込んでしまう(呑気症)
- 炭酸飲料・ビールの摂取量:炭酸ガスが直接腸内のガス量を増やす
- ガムや飴を頻繁に食べる:唾液と一緒に空気を飲み込みやすい
- ストレスや緊張:自律神経の乱れが腸の動きに影響し、ガスが溜まりやすくなる
- 食物繊維の急激な増加:健康のためにいきなり大量の野菜を食べ始めると、腸内細菌の発酵が活発になりガスが増える
- 乳糖不耐症:牛乳やヨーグルトを摂ると腸内でガスが発生しやすい体質の方がいる
防風通聖散を飲み始めたタイミングと同時に食生活を変えた方は、漢方薬ではなく食事の変化がおならの原因の場合もあります。原因を正確に特定するためには、食事日記をつけて「何を食べたときにおならが増えるか」を観察してみることも有効です。
「防風通聖散が原因か」を確認する方法
防風通聖散を2〜3日だけ中止して、おならの量や臭いに変化があるか確認してみてください。中止している間に改善すれば防風通聖散が原因、変わらなければ他の要因の可能性が高いです。ただし、自己判断での中止は短期間に留め、長期の服用中止は薬剤師に相談してから行ってください。
おならが気になるときの腸活習慣
防風通聖散の服用に関係なく、腸内環境を整えることはおなら軽減の基本です。以下の「腸活習慣」を日常に取り入れてみてください。
- 朝起きたらコップ1杯の水を飲む:腸の動きのスイッチを入れる
- 毎日同じ時間にトイレに行く:排便リズムを整えることでガスの滞留を防ぐ
- 発酵食品を毎食1品取り入れる:味噌汁、納豆、キムチ、ヨーグルトなど
- 寝る前に軽いストレッチ:腸の蠕動運動を促し、翌朝のスムーズな排便につなげる
腸内環境が整ってくると、防風通聖散との相性もよくなり、おならの問題が自然と改善していくことが多いです。漢方薬の効果を最大限に引き出すためにも、腸のコンディションを整えることは非常に大切です。
医師や薬剤師に相談すべきタイミング
以下のような症状がある場合は、防風通聖散の服用を一旦中止し、医師や薬剤師に相談してください。
- おならの増加が2週間以上改善しない
- 強い腹痛や下痢が同時に続いている
- おならだけでなく食欲不振・吐き気がある
- 血便が出た(防風通聖散とは無関係の疾患の可能性)
- 生活に支障が出るほど量・臭いがひどい
体質に合わない場合は、防風通聖散から別の漢方薬に切り替えることで症状が改善することがあります。肥満症の改善が目的であれば、大黄を含まない防已黄耆湯や大柴胡湯なども選択肢になります。自分の体質に合った漢方薬を見つけることが何より大切です。
よくある質問(Q&A)
防風通聖散でおならが増えるのはなぜですか?
主な原因は大黄(ダイオウ)による腸の蠕動運動の促進と、腸内細菌バランスの一時的な変化です。腸の動きが活発になることでガスが排出されやすくなります。
おならは好転反応ですか?
一時的な腸の変化という意味では「体が薬に反応している」と言えますが、「好転反応」は医学用語ではありません。1〜2週間で落ち着くなら様子を見てよいですが、2週間以上続く場合は体質に合っていない可能性があります。
おならが臭くなったのですが大丈夫ですか?
腸内環境の一時的な変化によるものです。食物繊維や発酵食品を積極的に摂り、肉類や脂っこい食事を控えることで改善することが多いです。長期間続く場合は医師に相談してください。
おならが気になって外出しにくいです
生活に支障が出るレベルであれば、無理に飲み続ける必要はありません。用量を減らす、他の漢方薬に変更するなどの選択肢がありますので、薬剤師にご相談ください。
まとめ|おならは一時的な反応が多いが、長引く場合は相談を
防風通聖散を飲んでおならが増えるのは、大黄の作用で腸の動きが活発になったことが主な原因で、多くの場合1〜2週間で落ち着きます。
ただし、2週間以上続く場合や腹痛・下痢を伴う場合は、体質に合っていない可能性があります。おならの症状は恥ずかしいと感じるかもしれませんが、漢方薬の効果を判断するうえで大切な体からのサインです。
最後に、おならへの対策を改めて整理しておきます。
おなら対策まとめ
すぐにできること:飲むタイミングの調整、炭酸飲料やガムを控える、よく噛んで食べる
腸内環境の改善:食物繊維と発酵食品の摂取、朝1杯の水、毎日のストレッチ
判断の目安:1〜2週間で改善→様子見OK、2週間以上続く→薬剤師に相談、腹痛・下痢を伴う→服用中止
他の原因も確認:早食い、ストレス、乳糖不耐症など防風通聖散以外の要因もチェック
気になる症状があるときは、自己判断で我慢を続けるのではなく、漢方に詳しい薬剤師や医師に相談しましょう。漢方薬は体質に合ったものを選ぶことで、副作用を最小限に抑えながら効果を実感できます。防風通聖散が合わない場合でも、防已黄耆湯や大柴胡湯など、あなたの体質に合った別の漢方薬が見つかる可能性があります。一人で悩まず、専門家に相談することが解決への近道です。

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監修:天心堂薬局(福岡市中央区大名1丁目15番7号)|1950年創業・漢方専門薬局|日本中医薬研究会会員店|全国実力薬局100選 子宝・不妊漢方部門認定