この記事の要点
- ✓防風通聖散の副作用として肝機能障害がまれに報告されている
- ✓原因は主に黄芩(オウゴン)による薬物性肝障害
- ✓初期症状は全身のだるさ・発熱・黄疸・食欲不振
- ✓早期発見のためには定期的な血液検査が重要
- ✓異常を感じたらすぐに服用を中止し受診する
「防風通聖散は肝臓に悪い?」「肝機能障害の副作用があると聞いて心配」——漢方薬は安全というイメージがありますが、防風通聖散の副作用として肝機能障害がまれに報告されています。

多くの方は問題なく服用できますが、漢方薬にも副作用のリスクがあることを理解し、初期症状を知っておくことが早期発見・早期対応につながります。この記事では、防風通聖散と肝機能障害の関係について、原因・初期症状・予防策をわかりやすく解説します。
目次
- 防風通聖散で肝機能障害が起こる原因|黄芩とは
- 肝機能障害の初期症状と見分け方
- 肝臓へのリスクが高い方の特徴
- 予防と早期発見のための3つのポイント
- よくある質問(Q&A)
- まとめ
防風通聖散で肝機能障害が起こる原因|黄芩とは
防風通聖散は18種類の生薬で構成されていますが、肝機能障害の原因として注目されているのが黄芩(オウゴン)です。
黄芩はコガネバナの根を乾燥させた生薬で、抗炎症作用や解熱作用をもち、漢方薬に広く使われています。しかし一方で、体質によっては黄芩の成分が肝臓でアレルギー性の反応を引き起こし、薬物性肝障害につながることがあります。
黄芩は防風通聖散だけでなく、小柴胡湯、半夏瀉心湯、大柴胡湯、柴苓湯など多くの漢方薬に含まれる成分です。過去にこれらの漢方薬で肝障害を経験したことがある方は、防風通聖散の服用にも注意が必要です。
肝機能障害のメカニズム
黄芩による肝障害は、用量に関係なく起こる「特異体質型」のアレルギー反応と考えられています。つまり、少量でも体質的に合わない方には肝障害が起こる可能性があり、「漢方薬は量が少ないから安全」とは言い切れません。
肝機能障害の初期症状と見分け方
肝機能障害の早期発見のために、以下の初期症状を覚えておいてください。
こんな症状が出たらすぐに服用を中止
❗ 全身のだるさ(倦怠感)が急に強くなった
❗ 発熱が続く(38℃前後)
❗ 食欲不振・吐き気が現れた
❗ 皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)
❗ 尿の色が濃くなった(褐色〜茶色)
❗ 皮膚のかゆみが現れた
これらの症状は服用開始から数日〜数週間以内に現れることが多いとされています。「風邪かな?」「疲れかな?」と見過ごしやすい症状ですが、防風通聖散を服用中にこれらの症状が出た場合は、まず薬が原因である可能性を考え、すぐに服用を中止して医療機関を受診してください。
医療機関では血液検査でAST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GTPなどの肝機能値を確認します。早期に発見できれば、服用中止により多くの場合は回復します。
肝臓へのリスクが高い方の特徴
以下に該当する方は、防風通聖散による肝機能障害のリスクがやや高いと考えられます。服用前に必ず医師や薬剤師に相談してください。
- もともと肝臓に疾患がある方(脂肪肝、B型・C型肝炎、肝硬変など)
- 過去に漢方薬や薬で肝障害を起こしたことがある方
- アレルギー体質の方(薬疹や薬物過敏症の既往)
- 日常的にアルコールを多く摂取する方
- 複数の薬を併用している方(解熱鎮痛剤、サプリメント含む)
とくに、他の漢方薬やサプリメントを併用している場合、肝臓への負担が重なるリスクがあります。「漢方薬だから安心」「サプリメントは薬じゃないから大丈夫」という考えは危険です。服用中の薬やサプリメントは、すべて医師や薬剤師に伝えてください。
他の薬やサプリメントとの併用が肝臓に与える影響
防風通聖散を他の医薬品やサプリメントと併用する場合、肝臓への負担が重なることがあります。とくに注意が必要なのは以下の組み合わせです。
- 解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど):肝臓で代謝されるため、負担が増加
- 他の漢方薬(小柴胡湯、葛根湯など):黄芩や麻黄が重複する可能性
- 健康食品・サプリメント:ウコン、プロテインなども肝臓で処理される
「サプリメントは薬ではないから大丈夫」と考える方が多いですが、肝臓にとっては薬もサプリメントも同じ処理対象です。服用中のものは漏れなく医師や薬剤師に伝えてください。
予防と早期発見のための3つのポイント
肝機能障害を防ぐために
① 服用前に相談する:肝臓に持病がある方、アレルギー体質の方は、必ず医師や薬剤師に相談してから服用を始める
② 定期的に血液検査を受ける:3ヶ月以上の長期服用を続ける場合は、定期的に肝機能の血液検査(AST・ALT・γ-GTP)を受けることをおすすめします。クリニックでの健康診断時に伝えるだけでも確認できます
③ 初期症状を見逃さない:全身のだるさ、発熱、黄疸、食欲不振が現れたら、すぐに服用を中止し受診する。早期発見が早期回復につながります
よくある質問(Q&A)
防風通聖散で肝機能障害が起こる確率はどのくらいですか?
正確な発生率のデータは限られていますが、「まれな副作用」として報告されています。多くの方は問題なく服用できますが、体質による個人差があるため、初期症状に注意しながら服用してください。
防風通聖散は肝臓に悪いのですか?
多くの方にとって肝臓に問題を起こすことはありませんが、黄芩の成分に対してアレルギー反応を起こす体質の方はリスクがあります。もともと肝臓に疾患がある方や、複数の薬を併用している方は事前に医師に相談してください。
肝機能の数値が上がったら防風通聖散をやめるべきですか?
はい。防風通聖散の服用中に肝機能の数値(AST・ALT等)が上昇した場合は、服用を中止し医師に相談してください。多くの場合、服用を中止することで肝機能は回復します。
まとめ|肝機能の初期症状を知ることが最大の予防策

防風通聖散による肝機能障害はまれな副作用ですが、起こりうるリスクがあることを知り、初期症状を覚えておくことが最大の予防策です。
全身のだるさ、発熱、黄疸、食欲不振——これらの症状が防風通聖散の服用中に現れたら、すぐに服用を中止し医療機関を受診してください。早期に対応すれば回復できるケースがほとんどです。
漢方薬を安全に使うために、定期的な肝機能チェックと、医師や薬剤師への相談を習慣にしましょう。
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※この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、医学的なアドバイスを提供するものではありません。具体的な症状や治療については、医師や薬剤師などの専門家にご相談ください。
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